オレらは青春爆走中【完】
『松田〜。隼人が怖いよ〜。』
三田村がオレの影にかくれしくしくと泣き真似をしだした。
…正直…めんどくさい。てか、三田村オレよりでかいんだから全然隠れきれてないし…。
オレは、ため息をついた。
『…、でもさ、オレ…まさか、自己紹介の途中で友達になりましょう宣言するとは思わなかった。やっぱ、大物だわ。お前。』
急に泣き真似をやめた三田村が真剣な顔でオレを見つめていた。
『そこは、三田村に同感』
藤条も楽しそうに三田村に賛同してきた。
「…まぁ、あそこであれくらい言えば、オレの名前くらい覚えてくれるかな〜っと思って?」
2人に目線をあわせながらオレは、そう答えた。
『ふ〜ん…でも、中島もちょっとは、驚いてたみたいだし…。効果はあったんじゃない?』
藤条が首をかしげながら言った。
「あぁ、て、ことで。オレは、今から中島と親睦を深めてこよーと思う。じゃ、また明日学校でな。」
『ちょ、松田!?』
そう言って、手を振り走りだすオレを三田村が慌てて止めようとしたが、藤条におさえられ三田村の手は、虚しく空を切った。
『お〜松田頑張れよ〜』
藤条の声援を背中にうけながらオレは教室を後にした。