オレらは青春爆走中【完】
『…ボールはそっちからどーぞ?』
中島は、オレが指先で回していたボールを見てそう言った。
…なめやがって。
「そうか〜?中島は、優しいな〜……あっ!そっか、オレが勝った時の言い訳になるもんな??先行が有利だし?」
オレは、怒りをおさえつつ、中島にニコリと微笑む。
ピクリ!
中島は、オレの言葉に心底嫌そうな顔を浮かべたが、すぐさま、
『いや〜、松田の身長考えるとこのくらいのハンデが必要だろ?』
爽やかに微笑み返してきた。
「…あ、はは。そうかも。さんきゅーな、中島。わざわざオレの身長の心配まで。やっぱ、巨人は、心もでかいんだな〜」
『………っいやいや、オレは、お前の身長を見てると不憫で不憫で…。』
そう言って、本当に不憫そうな顔でオレを見る。
…ふ、ふ、ふ、さすがのオレでも我慢の限界だぜ、中島ぁ〜!!!!!!
「…じゃあ、オレ先行ってことで始めるよ…。」
オレは、怒りをおさえながら中島に冷静に聞いた。
『いつでもどうぞ?』
…こうして、オレと中島のバスケ対決が幕を開けた。