オレらは青春爆走中【完】
中島Side
『まだ準備体操程度だっつーの。なめんな。』
そう言って、松田は、オレにできた一瞬のスキをつき、シュート体制に入る。
…させるかよっ。
オレも懸命に松田からボールを奪おうとした。
はっきり言って、松田のバスケのレベルはそんじょそこらの高校生の比ではない。
さっきは、余裕を見せて、松田のドリブルをマークしていたが、実際は、かなりしんどかった。
…コイツ、本当にいいタイミングでフェイント…入れてくるよ…。
オレは、心の中でため息をこぼした。
ダン、ダン、ダン。
その間にも松田は、シュート体制を崩そうとはせず、一心にゴールを見つめていた。
…ヤバイ。入れられる…。
オレは、なぜか、ふとそう思った。