オレらは青春爆走中【完】
中島Side
…南中…松田宏樹。
はじめて聞いたときから少しだけ違和感を感じた。
…なんか、どっかで…聞いたことあるような気がする。
…南中、松田…南中…。
「……あっ!…」
その時、ふとある記憶がよみがえってきた。
――…
ザワザワ、ザワザワ。
「先輩、今日の試合どうでしたか??」
中学1年の…あの時、オレは、練習試合を終えた先輩に質問したんだ…。
『あぁ、英介か。』
当時、オレと一番仲が良かった先輩が疲れたように笑った。
『…今日は、しんどかったぞ〜。南の1年にスゲーやつがいてな〜。』
ピクッ!
『1年』
その言葉にオレは、反応した。
1年で先輩たちをここまで疲れさせるなんて…ただ者じゃない…。
そう思った。
「…その1年、なんて名前なんですか…。」
『あぁ…たしか、松田、松田宏樹とか言ってたな…。お前とでもいい勝負すると思うぜ??』
そう言って、先輩は、笑ったんだ。