オレらは青春爆走中【完】
『宏樹?何で逃げんの?』
ん?と有無を言わさないで女はニコッとオレに笑みをこぼした。
「…いや、別に?逃げようとなんて…。」
命の危険を察知し、慌てて答えるオレを、三田村をはじめ、柄の悪い二人組までが、ぽかんとした表情で見つめる。
『あっ、そういうわけで、この人と待ち合わせなの。だから、カラオケとか無理だから。』
女の言葉で我にかえった柄の悪い二人組は、男(オレ)がいるとわかった途端、何も言わずに、ファミレスを出ていってしまった。
『ふぅ〜助かったわ。宏樹。ありがとう!』
女は、嬉しそうにオレに笑いかけてきた。
「ったく、ナンパされんなよな!?めんどくせー。」
オレは、相変わらず不機嫌そうに答えた。
『あの〜松田くん…。どういったご関係で…?』
さっきまでの一部始終を見ていた、三田村が遠慮がちにオレに尋ねてきた。
「は?姉だけど??」