オレらは青春爆走中【完】
『あ、姉〜??って、ま、まさか、沙友里さん??』
三田村が、驚いたようにオレの姉 沙友里を見つめた。
『え?誰………もしかして、ゆーと君!?』
最初は、名前を呼ばれて怪訝そうにしていた沙友里も三田村だと気づいた途端、驚いたような声をあげた。
『うわ〜大きくなったねぇ〜宏樹…ぷぷ…チビだね〜』
そう言って、楽しそうに笑う姉 沙友里。
…内心、かなり傷ついてんですけど…。
『あれ?後ろの子たちは、新しいお友達??はじめまして、宏樹の姉で松田沙友里って言います。高3です。よろしくね〜』
三田村の後ろで、依然として、ぽかんとしていた藤条と英介を見つけると、沙友里はにこやかにそう言った。
『あ、どうも。藤条隼人です。』
藤条がぎこちなく軽く頭を下げながら言う。
『どうも。中島英介です。』
英介は、爽やかな笑みを浮かべ会釈をする。
…英介、以外と猫かぶるんだな…。
オレは、英介の新たな一面を見た気がした。