オレらは青春爆走中【完】
「いいこと?」
オレは、またもや、嫌な予感を感じながら聞いた。
『そう!とーってもいい考え!!で、あのね、今日あったばかりで悪いんだけど……隼人くん、英介くんお願いがあるの!!』
いきなりそんなことを言い出した沙友里。
『なんですか?』
未だに猫をかぶっている英介は、にこやかに沙友里に聞き返す。
…嫌な予感しかしないのは、オレだけだろうか…。
『あのね、2人に私の彼氏のフリをしてほしいんだ!!これは、君たちにしか頼めないんだよ、イケメンにしか!!』
そう言って、藤条と英介に懇願する沙友里。
…それは、つまり遠回しにオレと三田村じゃ役不足だって言ってるよーに聞こえるのだが…気のせいだよね…。
三田村を見ると、あんまり気にしてない様子で、唐揚げを食べていた。
…だから、いつの間に注文したんだよ…
『……いいですよ?他でもない松田のお姉さんの頼みですし?』
沙友里の懇願した様子を見ながら、何か考えていた英介が口を開いた。
…なんだろ?また嫌な予感が…。
『!!本当?英介くんありがとう!!今度なんか奢っちゃう!隼人くんは?ダメ??』
上目遣いで隼人を見る沙友里。
…姉貴…藤条を威圧してるよ…昔から、姉貴の上目遣いは、凶器だからな…。
『…中島もやるんだったら別にいいですけど…』
沙友里の威圧に負けたのか藤条も了承した。