オレらは青春爆走中【完】
『…え?』
あっくんは、いきなりの沙友里の変貌ぶりにポカーンと口を開ける。
『え?じゃないわよ!だから、別れようって言ってるでしょ?』
そう言って、沙友里は、さっきとは違う冷たい表情を浮かべた。
『…あのさ〜いつまでそこにボケッとつったってるわけ?沙友里は、別れようって、言ってんの。なんか、反応しなよ?』
藤条は、冷たくあっくんを睨みながらそう言った。
『そうそう。二度とさゆに近づくなよ…?』
英介も軽く睨み付けながら言った。
『す、す、すみませんでした〜』
2人の威圧に耐えられなかったんだろう。あっくんは、大声であやまりながら、ファミレスを大急ぎで出て行ってしまった。
『ふふふ、完全勝利〜!!』
あっくんが、出ていったのを見計らって沙友里が藤条と英介に向かってVサインを見せた。
すると、
パチパチパチ、パチパチ。
『やったな!姉ちゃんたち!!』
『よかったね。もう、あーゆう男に引っ掛からないようにね!』
周りのお客さんたちから温かい拍手がまきおこった。