オレらは青春爆走中【完】
『いいか、おまえら、歓迎合宿だからってうるさくすんなよ』
伸吾ちゃん(独身)は、腰に手をおいて叫ぶ。
そんな伸吾ちゃんの話を聞いているのかいないのか、オレらのクラスは、かなり、騒がしい。
皆、話聞いてやれよな…
『だから、人の話を聞け〜!!!』
ドンマイ、伸吾ちゃん…
オレは、未だに叫び続ける伸吾ちゃんから目を離すと、後ろに座っていた三田村に話し掛ける。
「なぁ、三田村、オレらってこれから何すんだ?一先ず、部屋に荷物置くだろ??その後の予定って何?」
『おいおい、松田〜、伸吾ちゃんの話聞いとけよな〜さっき、言ってたじゃん?班に別れて、オリエンテーションだとさ』
呆れたようにオレに説明する三田村。
三田村に少しバカにされたようでムカつくな…。
そう思いながら、ふと、オレは、三田村のかなり後ろの方に座る藤条に目を向ける。
その時の藤条の顔は、血の気が引いて真っ青になっていた。
それを見た瞬間、オレは立ち上がっていたんだ。
「伸吾ちゃん、藤条具合悪そうだから、オレ、先に部屋連れてくわ」
そう言いながら、急いで藤条が座る場所に行くと、
「行くぞ」
そう言って、藤条を立ち上がらせる。
『…っ、なんだよ…』
やっぱり、元気がない藤条を無理矢理立たせると、オレは、腕を引っ張った。