不器用なココロ
~怜side~


あぁ、明日どうしよう…。


悩んでるなんて、俺らしくないじゃねぇか。


って、えぇ!?

なんで、前にゆめがいるんだよ?

髪を巻いて、メイクもしているのか?

ちょっと、昼間と違うけど、あれは絶対ゆめだ。

あぁ…、


抑えきれねー。

「ゆめ‼」

驚いたように、後ろを振り向くゆめ。

かわいい…。

抱きしめたい。

そう思った。

「なんで、ここに怜がいるの?」

「おまえこそ。おれは、家があっちだから。」

なんか、今にも泣きそうな目で、こっちを見るゆめ。

今にも俺の理性ってもんが、吹っ飛びそうなんだが、いまは、我慢する。


俺、ゆめを泣かせるようなこと、したか?

「あたしも、家、あっちだから…。」

そして、すこしの間、沈黙が続く。

「「あのッ」」

2人の声がそろう。

「さき、ぃぃょ…。」

ささやくような声で、ゆめがいう。

それさえも、愛しく感じる。


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