大好きなキミ
「さ…く?」


「隼人ってだれだぁ~?誰でも良いけどこんなとこで大声で悪口言っちゃ可愛そうだろ?」


町田朔はあたしの幼馴染で違う学校に通っている。


だから逢うのなんて久しぶりだ。


「ひさし…ぶり」


「おー、久々だなっ!」


朔はニコッと微笑む。


「元気、してた?」


「もちろん!美沙は…ってあんまり元気そうじゃねーなっ!」


朔はちょっと笑うとポツリと呟いた。


「隼人って…彼氏?」


隼人…っ!あんなのっ!!


「あんなのっ!彼氏じゃないよっ!ただの浮気やろーだよっ!」


あたしは出そうになる涙を堪えて悪口を言った。


本当はそんなこと想ってないよ…


彼氏だよ?信じてたよ?なのに…


「泣きたいんだろ?泣けば?スッキリするぜ?」


あたしは朔に抱きしめられた。


「え…」


「こうしたら、みえねーだろ?ほら、泣けよ!」


朔…っ!


「ありがっ…とっ…うわぁぁぁん!!」


あたしは大声で泣いた。


この胸が隼人くんだったら良いのにと想った。
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