enjoying!

グリップをギュッと握り締める。

この試合には全てがかかっている。

…そんな気がした。

 「7ゲームマッチプレイ!!」

コートに立つ4人の声が重なった。

サーブを構える中島さんの顔はあたし達との試合を待ち望んでいたかのようにもみえた。

 「はーい!!」

…あたし達への対策はかなりしてきているみたいだ。

いきなり日花梨先輩の苦手コースをついてきた。

高いロブが相手コートに返される。

 「ゴメン、響子!!」

大庭さんがロブを追うのをやめて、フォロー体勢に入る。

 「はーい!」

ロブが空高く上がった。

ボールが風に乗って流されていく。

…アウト?

まさか。中島さんはそんな初歩的なミスはしない。

 「っ…!」

カツンとボールがライン上に落ちるような音がした。



< 101 / 247 >

この作品をシェア

pagetop