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 「よかったな、律!!
  あの木下さんと握手なんてさー。」

 「だよなー…。」

 「…。」

佐伯先輩…ずっと黙ってる。

 「佐伯先輩?
  どうしたんですかー?」

佐伯先輩がやっと反応して顔を上げる。

 「…俺さ藤乃宮行きたい。」

佐伯先輩がボソッと呟いた。

 「…どうしたんだよ、いきなり。」

今井先輩が立ち上がった。

 「律、お前…。」

佐伯先輩が静かに頷いた。

 「でも、佐伯って…私立行くんじゃな
  いの?」

 「家継ぐんだろ?」

佐伯先輩の家は歯医者をやっていて、佐伯先輩は長男。
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