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 「…俺、親にテニスは中学までにし
  ろって言われ続けてた。」

佐伯先輩にしかわかんない、長男って言う立場。

 「でも、テニス好きだし。
  もっと強くなりてぇから…。
  だから…諦めきれない…。
  初めてなんだよ。
  自分からなんかやりたいとか…。」

そんなこと考えたことなかった。

あたしは親にやりたいことをやらせてもらってる。

そんなの当たり前だと思ってた。

でも、佐伯先輩にとっては特別なことだったんだ。

 「…いいんじゃねぇの?
  俺は賛成。」

 「俺も。
  律はやりてぇことやればいいんだ
  よ。」

 「てか、だいたい…。
  親の敷いたレールに乗っかったま
  んまなんてカッコ悪ぃよ!」

佐伯先輩は佐伯先輩。

皆佐伯先輩のことを理解してる。
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