enjoying!
学校の前を過ぎても、海斗はあたしの隣をずっと歩いてきた。
「最近、不審者多いじゃん。
俺が家まで送っちゃる。」
あたしの頭をポンポンとなでて、海斗はあたしと歩き出す。
「…でも、帰るの遅くなっちゃ
うよ。
そんな家も遠くないし。」
あたしが立ち止まると、海斗が振り返った。
「俺がしたくてやってんの。
いいだろ?」
その表情。
その台詞。
本当は全てがあたしをときめかせていた。
でも…。
「…勝手にすれば。」
素直になれない。
こんなあたしが嫌い。
でも…。
海斗といるときの自分は嫌いじゃない。
「あー、今日の晩飯何かなー。」
夕暮れの帰り道。
…たまにはこーゆーのもいいかもね。