enjoying!

梨々香ちゃんは涙をぬぐった。

無理やり笑顔を作ってもまた涙があふれてくる。

それは悔しいって気持ちの表れ。

誰もが経験すること。

 「あとはウチらがなんとかする。
  ありがとね、遠田。」

あたしは軽く頭を下げて、男子のコートへと向かった。

 「…優奈。」

優奈は笑っていた。

どっちかっていうと…頑張って口角を上げていた。

 「…2-1。」

 「え?」

 「負けちゃったって。
  基山君…言ってた。」

優奈が目を伏せた。

男子はベスト4で負けていた。

 「…そっか。」

それしか言えなかった。

審判台に座る和田先輩を呆然と見ている日花梨先輩がいた。
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