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歩斗side


 「ただいまー…。」

おかえり。と返してくれる人はいない。

家政婦の人だって飯を作って掃除をしてオレの知らない間に帰っていく。

母さんと父さんには半年以上会っていない。

たまに電話とかメールが来るけどオレはいつも同じようなことを話している。

寂しくはない。

でも…なんていうんだろう?

よくわかんない。

…こーゆーときは、愛華のことを考える。

あいつの笑顔を見てるとモヤモヤした気持ちが晴れる。

スッゲェ可愛くてさ、オレまで元気になれるっていうか…。

 『…行かないでよ。』

さっきの言葉を思い出して胸が苦しくなった。

あんな顔してそーゆーこと言うのはやっぱズルい。

 「行かないでよ…か。」

蓮の言うとおりオレはココにいることが出来なくなるかもしれない。
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