君を、僕は。
海軍兵学校の受験資格は16歳から19歳の、身体条件を満たす、学力、独身者、犯歴の無い者とされた。
身体検査と運動機能検査で学術試験受験者が決定され、学術試験は5日間連続で行われた。
学術試験は数学、英語、歴史、物理、化学、国語、英語、地理の順に行われ、それぞれの学術試験の採点結果は当日に発表され、所定の合格点数に達した者のみが次の学術試験を受験できる
篩い落とし選考であった。
その後、面接試験を経て最終合格者が決定された。
海軍兵学校は、全国から優秀な青年が競って志願した超難関校であった。
庭の桜が咲いて、
春近さんは、江田島の海軍兵学校に行かれた。
海軍兵学校は、とてもとても厳しいところだと聞く。
わたしは、春近さんが行ってから、毎日のように郵便受けを見るようになった。
春近さんからの手紙を待って。
見上げるように玄関の郵便受けを開けて覗き込むと、一通、便箋が入っていた。
わたしは急いでそれを取り出した。
『柳小春様、宮野春近』
自然と笑みがこぼれる。
わたしはその手紙を大事に胸に抱き部屋に戻った。
遠く離れた春近さんとの繋がりは、この手紙。
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