続・俺様王子の初恋
我慢するので精一杯だった。
それくらい俺は焦っていた。
「 ”彼女”に話さないんですか? 」
「 ・・・・何を 」
「 女の子、ですよ 」
あぁ、今朝の・・・・。
「 ・・・なんだ、別に隠してるわけじゃ
ないんですね 」
”あの女がなに?”
まさに、そんな顔をしていたのか、
胸倉から手が離されて、
”つまらない”と佐野が溜息を零した。
「 ・・・・なに、そんだけ? 」
佐野に背中を向けて、俺は
旧校舎へと足を向ける。