続・俺様王子の初恋





「 自分のことで精一杯なのは
  泰雅だって同じなの。
  たまには我侭を言って、
  思いっきり彼を困らせることも
  案外大切よ 」






そこに私の意志は確かにあった。






”会えないのは、嫌です”






そう思っていたのは、確かで。
だけどそのせいで先輩を困らせて
嫌われたくなくて、









「 ”いつもの場所”へ行って
  一日早い再会を果たしてみたら?
  きっとそこに彼はいるし、
  すごく驚くだろうけど




  その”我侭”を彼は怒らないで
  きっと笑って受け止めてくれるわ 」







私は、自分のことで精一杯で。
全然先輩のことを考えていなくて
背中を押されて、言葉にされて
初めて全てに気付いて、
気付けば、保健室を飛び出していた。









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