続・俺様王子の初恋





限界なんて、とっくに超えて
もう数え切れないほど涙を
流してきた。





いつだって先輩と私の前には
壁が立ちはだかって、なかなか
本当の幸せにたどり着けない。
いつだって遠回りで、そのたび
挫けて、泣いてきた。










───────────けど、今は・・・






「 ”前向き”でしょ、葵ちゃん? 」





前向きな”私”が、導いてくれる。
臆病でどうしようもない私を、
今の”私”が、手をひいてくれる。





「 ・・・・・そうですね 」


「 じゃあ、あたし少し外すわね 」





美夏さんはそう言って、
私の部屋から出て行った。








< 252 / 365 >

この作品をシェア

pagetop