続・俺様王子の初恋
限界なんて、とっくに超えて
もう数え切れないほど涙を
流してきた。
いつだって先輩と私の前には
壁が立ちはだかって、なかなか
本当の幸せにたどり着けない。
いつだって遠回りで、そのたび
挫けて、泣いてきた。
───────────けど、今は・・・
「 ”前向き”でしょ、葵ちゃん? 」
前向きな”私”が、導いてくれる。
臆病でどうしようもない私を、
今の”私”が、手をひいてくれる。
「 ・・・・・そうですね 」
「 じゃあ、あたし少し外すわね 」
美夏さんはそう言って、
私の部屋から出て行った。