続・俺様王子の初恋
緩む頬を抓りながら
ベッドで寝ている葵を
思い描いた。
・・・・・・絶対、寝てる。
「 ・・・・・葵? 」
『 起きてますよ・・ 』
「 今ちょっと寝てただろ 」
一々、可愛い。
仕事の疲れが一気に吹っ飛んで
水を片手に葵と話している間に
気付けば2時を過ぎていた。
「 ・・・寝ていいよ、ってか寝ろ 」
『 ・・・でも、 』
「 またメールするし、少し遅く
なるけど電話もするから 」
『 約束ですよ? 』
甘えた声を出す葵に
自然と笑みが零れた。
不安じゃないわけじゃない。
葵のすぐ傍に佐野がいるし、
油断すんなとは言ったけど
葵のことだから油断してる。
不安なのは葵だけじゃない。
けど、葵の方が不安だろうから
俺はできるだけ甘やかしたい。