青薔薇に愛を込めて
「はじめまして。私ハルカっていいます。ローニャくんっていうんだよね?かわいい名前だね」
「……ありがと?」
反対側にもう一度こてんと首を傾げる。
か、かわいすぎ!
悶えそうになるのを我慢して必死に笑顔を取り繕う。
すると、頭上から声がかかった。
「あ、ハルカは僕の妻になる人なんだよ」
いや違いますから、断じて!
リツィリアさんをきっと睨み付ければ、彼は悪びれた様子もなく、おかしそうに肩をすくめる。
「だからそれはヴェルのことだと言ってるじゃないですか!でたらめ言わないでください」
「まあまあ」
何がまあまあなのよ!
言い返そうと思ったけれど、ローニャくんが私の衣服の袖を遠慮がちに引っ張ったのでそちらを向けば…
「つ、ま?」
そこにはキラキラした瞳があった。
それはもう、期待に満ち溢れ煌めいておりましたとも。