青薔薇に愛を込めて


「…え?や、違うよ?」



苦笑いをして一応訂正を入れるけど、聞いている様子はこれっぽっちもない。

むしろ、キラキラが増していってる気がする。



「つま……ろーにゃのお姉さま?」



ローニャくんが嬉しげに尋ねてきたけれど、私はキョトンとしてしまった。

お姉さま?どういうことだろう?


不思議に思ってリツィリアさんを見上げれば、彼は慈愛に満ちたような優しい微笑みを浮かべていた。

本当に仲が良いんだな、二人は。

そう思って私は少し羨ましくなる。



すると、すぐに私の視線に気付いたのか、リツィリアさんは納得したように「ああ」と頷いた。



「僕とローニャは義兄弟なんだ」

「えっ!?」



思わず大きな声を出せば、リツィリアさんはくすりと笑い、すっと身を屈めたかと思うと流れるような動作でローニャくんを抱き上げた。



「母方の家の傍系の子でね。生まれたばかりの時に両親がなくなったから母上が養子にしたんだ」



微笑みながらローニャくんを見つめるリツィリアさん。

ローニャくんといえば、彼の赤色の髪を引っ張ったりして遊んでいる。


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