青薔薇に愛を込めて


するとリツィリアさんは、未だに髪の毛を弄るローニャくんに構いながら答えてくれる。



「"神の声を聞く者"だよ。神の意思を聞くことができるから、神に等しい存在とされてるんだ。そして神殿のトップでもある」

「えぇ!すごいですね…」

「ああ、本当にすごいよね。一度僕も神の声とやらを聞いてみたいよ。なんでも、代神官の力は後天性みたいだからね」



じゃあここにいる皆に可能性があるってことかな。

…まあ、私は生きてた世界が違うから百パーセントないけど。



「ここにはその代神官様はいらっしゃるんですか?」

「いや、ここ四百年は一人も現れていないんだ。それに代神官は本殿にいるものだから、ここにいることはないと思うよ」

「本殿?」



よく分からない単語が出てきたので聞き返してみれば、リツィリアさんは面倒臭がる風もなく丁寧に答えてくれる。


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