青薔薇に愛を込めて
├仮装パーティーにて
その日は、とても楽しいはずだった。
私は今年受験生だから、毎日勉強、勉強、勉強で……
まだ夏なのだけど、それなりにいい大学を目指しているから今から頑張んなきゃ間に合わない。
…本当のところ、目指しているのがいい大学だからってのは言い訳で、高校生活二年間を真面目に勉強せず遊び呆けていたのだから自業自得。
と、そんなわけで、懲りずに私は息抜きと称してまた遊びに繰り出していた。
昼間の焼け付くような暑さが陰を潜め、ほんの少しだけ冷涼な空気が頬を掠める夜。
高すぎる天井にはきらびやかなシャンデリアがどっかーんと存在を主張していて。
それに負けないくらい華やかな衣装をまとった人たちが楽しげにダンスを踊る。
ホールに響くのは…華麗なる大円舞曲だっけ?えと、ショパンの有名なあの曲。