青薔薇に愛を込めて
でもさっきの金髪碧眼美女はいいの?
閉まってしまった扉を見遣れば、私の視線の先を辿った彼が答えをくれた。
「ん?ああ、彼女はいいんだよ。心配しないで」
別に心配というほど心配もしていないけど、とりあえず私はふーんと納得した表情を作った。
恋人じゃないのかな?いやでも…アレをしてた訳だし。もしかしてセフレってやつ?
…ま、私には関係ないんだけどさ。
一人納得してちらりと彼を見上げれば、
「っ―――!」
綺麗な金色の瞳が思いの外近くにあった。
あと少しで鼻先が触れ合う距離に頭が真っ白になる。
近い!
「あれ?妬いてないのかい?」
「……」
意地悪く笑う彼の予想外の言葉に思わず眉をしかめる。
何言ってるのこの人。
私が妬く要素が全く思い付かないんですけど。