青薔薇に愛を込めて
「大丈夫だよ。僕の心は君だけのものだから」
「っはあ?」
本当に何を言い出すのだろうか。
いきなりの告白に、私は声を上げてしまった。
…て、喋っちゃった!
私は慌てて口を塞ぐ。
彼はというと、方眉を上げて興味深そうに私を覗き見る。
「おや、話せるのかい?」
やばいかも。
失敗するの早くない?
私ってホントばか!
えーい、こうなったら自棄だ。
私は精一杯嬉しそうに見えるよう微笑んで、なんとか声を絞り出す。
「…いえ、今初めて声を出すことができました!」
なんて白々しい。
自分でもそう思ってしまうんだから、もう確実に終わった…
私は早々に諦めて白状しようと口を開いた。
ヴェル、ホントごめん…
すると彼は驚いた表情を柔らかくする。
目尻が下がって愛嬌たっぷりだ。
「そうか、それは良かった。可愛らしい声を一番に聞けて僕は嬉しいよ」
「へ?」