青薔薇に愛を込めて


日本での習慣で飲む気はあまりなかったけど、好奇心に負けてちょびっと口に含んでみれば。



「わっ」



思わず感嘆の声が漏れる。

なんのフルーツを使っているのだろうか。

とても甘くて、フルーツ独特の酸味がいい具合にきいている。
アルコール度数はあまり高くないらしく、全然気にならなかった。

これなら、ジュースみたいな感覚で私でも飲むことができる。



「美味しいだろう?」

「はい」



素直に答えながらリツィリアさんを振り返る。

彼も、足を組んで寛ぎながら、この琥珀色のお酒を飲んでいた。


それにしても、足が長い。
さっき立ち上がった時も思ったけど、リツィリアさんはモデル並みにスタイル抜群だ。


今はパーティーの時みたいな中世ヨーロッパの貴族的な服ではなく、白くて薄いシャツに少し細身の黒いズボンといった出で立ちで、前に見たのよりもゆったりしている。


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