青薔薇に愛を込めて


どうしたら信じてくれるだろうか。

私は必死に考えた。



――あっ!そうだ…!

顔が同じでも、私とヴェルには決定的な相違点があるではないか。



「目!目を見てください!」



そう言って、目を指差しながらリツィリアさんにぐっと近付けば。
驚きに目を見開いたリツィリアさんの、端正な顔がどアップ。

でもそれさえも気にならないくらい私は必死だった。



「ヴェルは確か青緑でしょう?ほら、私の目の色を見てください!」



はたから見れば、顔を近付けてお互いに見詰め合うという、なんともラブな展開。

でも漂う雰囲気はそんな甘くはない。
むしろ剣呑だ。



「分かりましたか?私はヴェルじゃないんです!」



喧嘩腰にさっきと同じ言葉を叫べば、リツィリアさんの眉間にシワがよった。

初めて見る、笑顔以外の表情。

終始笑顔より、訝しげな表情の方が人間味がある。


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