青薔薇に愛を込めて


離して…


私の気持ちが伝わったのか微妙なところだけど、
リツィリアさんは顔を上げ、おじいちゃんもどきに今気付いたかのように、軽く目を見張った。



「やあ、リツ坊。お嫁さんが可愛らしいお嬢さんで良かったね」


手を上げにこやかに挨拶。


あれ?リツィリアさんって偉い人じゃなかったっけ?

その彼にこんな態度をとれるなんて、おじいちゃんもどきは何者なんだろう。


てか私抱き付いちゃったよ!
不敬罪とかになったらどうしよう…



顔から血の気がサアッと引いていく。

このまま訳の分からない場所で死刑なんてなりたくない!



「サジェルバ……。僕は神官長を呼んだのだけど?」



そう言って、腕に力を込め珍しく顔を歪ませる。


へぇー。神官長…
何かの宗教関係の役職っぽい名前だ。

神官っていうくらいだから、日本で言う神社の神主さんみたいな感じかな?

うん。確かに偉そう。



…って ちょっと

「放してください!」


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