青薔薇に愛を込めて


腕を突っぱねても、放す様子がないどころか、彼はおじいちゃんもどきと私の間に立ちはだかるようにして私を抱きくるむ。



いくらなんでもスキンシップ激しすぎるだろ!


ノリがアメリカだ。
確かにアジア系の顔付きではないけど。

でも事あるごとに抱き締められちゃこっちの身がもたないよ…



おじいちゃんもどきはリツィリアさんの睨みをものともせず、
ほっほっ と日本にいるおじいちゃんを思わせる声で笑った。



「何を言う。確かに神官長の職を退きはしたが、儂はまだ現役にも負けんぞ」

「だからそういう問題ではないんだよ」



ため息を吐いて眉間のシワをさらに深くするリツィリアさん。



どうやらおじいちゃんもどきは元神官長らしい。

どうしてもおじいちゃんに似ていて、
そんな風には見えないけど。



「……ジュリエ、どうしてサジェルバがいるんだい?」

「サジェルバ様は勝手についてこられただけでございます。
それから、神官長はここに」


ジュリエさんが横へすっと大きく動けば。

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