青薔薇に愛を込めて
肩を落として項垂れていると、
つむじに柔らかい感触がした。
反射的に顔を上げればリツィリアさんがニヤリと笑う。
「なっ……!」
何をされたか分かった瞬間、首から上へ一気に血が昇った。
こ、このっ!
やっぱりたらしだ。
行動がアメリカのノリというよりも手慣れてると言った方がしっくりくる。
すると、絶句している私にのんびりとした声がかけられた。
「お熱いことですなぁ。いやいや、良いことですぞ。今から、御子が楽しみです」
ちょ、違います!
私はヴェルの偽者なんですって!
思わず叫びそうになるけれど、ここで言うのは憚れる内容なので、私はぐっとこらえた。
だって確実にリツィリアさん並みに偉い人の前で言える内容ではない。
というか、国家反逆罪やらなんやらで処刑されそう。
…そんなの絶対に御免だ。