青薔薇に愛を込めて
「うむ、もともとそのつもりだよ」
と言いつつも、渋々といった様子を隠しきれていないようで、サジェルバさんは必要以上にゆっくりとした動きで私たちへと近付いた。
口を尖らせて拗ねたように見せている様子が子供っぽい。
…なんだか見た目とのギャップがすごいな。
って!いいから早く返せコノヤロー!!
人の物を盗ろうとするなんて、なんて野蛮な。
それも元とはいえ神官長が窃盗をして大丈夫なのだろうかこの国は。
ああ、なんだかやっと、おじいちゃんとは似ても似つかない所を見つけられた気がする。
私だったら、窃盗なんてした暁にはたぶん、おじいちゃんにご飯抜きの刑にされてしまうだろう。
そうなれば自腹でコンビニ弁当と言うとても残念なオチが待っている。
それにおじいちゃんがいるのにおじいちゃんの料理を食べれないなんて、私にとっては拷問だ。