アイツは私の初彼氏 ~ホワイトデー編~
「ちょっと向こうむいててくれるか?」
「うん?分かった」
座ったまま、克幸に背を向ける形になる。
しばらくぼんやり待っていると、首に克幸の手が回されてひんやりとした金属の冷たさを感じた。
「……ん?」
胸元に手をやると、重みのある何かに触れた。
引っ張って見てみると、水晶の付いたペンダントトップが見える。
「―――克幸……っ、これ!」
驚いた私が振り向くと、少し照れくさそうな克幸と目が合う。
「さっきのはオマケだから。メインはこっち」
「私がこれ見てたの……知ってたのか?」
「遠くから見てて、後で確認した。多分これだろと思ったからな。間違ってないか?」
「合ってる……よ」
「そうか……」
そうして二人、何となくうつむいてしまう。