アイツは私の初彼氏 ~ホワイトデー編~
何だか、すごく心臓がドキドキしてきた。
初めての女の子っぽいアクセサリー。
似合わないから避けていたのに、いざもらうとうれしくて。
「……ありがとう」
自然に、そう口にしていた。
「安いやつで悪いけど……そのうち、」
「そのうち?」
途中で言葉を切った克幸に私が問う様に見ると、目が合った途端に慌てて逸らされた。
「何でもない」
「ふーん?ま、いいけど。それよりコレ、大事にする」
「―――おう」
公園を後にして、隣同士の家に向かって歩く。
幼なじみって不思議だ。
家族と友達の間みたいな存在で。
その上彼氏だと、何だかややこしいな。