アイツは私の初彼氏 ~ホワイトデー編~
顔を洗うのに下に降りると、2人の姉がリビングで顔をつき合わせて何かしているのが見えた。
リビングのテーブルにはたくさんのマニキュア。
あ、そっか。
お互いのネイル作ってんだな。
「―――さお、今日はゆっくり寝るんじゃなかったの?」
横を通る私に気付いた上の姉、詩織―――しお姉がそう言う。
「そうなんだけどさ。何か、克幸に誘われて出かける事になった」
それを聞いた途端に下の姉、香織―――かお姉が顔をあげる。
「ちょっと!今日12日だし、もしかしてっ?」
「12日って何かあったっけ?」
私は考えてみるけど、特に何も思い当たらない。