アイツは私の初彼氏 ~ホワイトデー編~


「……いや、そのままでいい」

けれど目が合った克幸は何だか嬉しそうに笑った。





 向かった先は、いつもの駅前ショッピングモール。

克幸に手をつながれて歩いていた私は、お店の状態を見て初めて気が付いた。


―――今日ってホワイトデーの2日前だ!


「やっべ、私お返し買わないとだった!」

バレンタインに女の子からチョコをもらったのを思い出す。

「だよな。俺も、それ思い出してさおに付き合ってもらおうと思ってさ」

「そっか、克幸いっつも姉ちゃん達にお返し買ってたもんな。今年も?」

「まぁそれもあるけど、お前……何で自分のだと思わないんだよ」

「―――あっ」



 
< 5 / 15 >

この作品をシェア

pagetop