アイツは私の初彼氏 ~ホワイトデー編~
そうだった。
今年は初チョコを克幸にあげたんだったな。
すると、当日の事まで思い出してしまって、思わず顔が熱くなる。
「お前さ、時々俺達が付き合ってるって事忘れてるだろ」
「そんな事、ないよ」
私は克幸の顔を直視出来なくて、目線をそらす。
そりゃ確かに時々忘れそうになるよ。
だって、幼なじみの期間の方が長いんだからさ。
でも、ちょっとは進歩してるだろ?
こうして、手なんてつないでるし。
髪だって、少しは伸ばそうとか考えたりもする。
「……で、何か欲しいもんあるか?」
ビルの中をぶらつきながら、克幸は私にそう聞く。
「そんなの、急に言われても思いつかないよ」
「んー、じゃあその辺から見てみるか」