アイツは私の初彼氏 ~ホワイトデー編~
そう言って入ったのは、色んな物がある雑貨屋。
ホワイトデー直前にもなると、それ用のコーナーもたくさんある。
「あっ、これ……しお姉好きそう」
私は飾りのたくさん付いた鏡を持ち上げる。
しお姉、デコったの大好きだもんな。
「確かに好きそうだな。じゃあ、しお姉はそれにするよ。かお姉のは?」
克幸にうながされて辺りを見ると、ウサギの小さいぬいぐるみが目に入った。
「これ、いいんじゃないか?かお姉の好きなキャラクターなんだ」
「おー、じゃそれな。……で、さおのは?」
「えっ?ああ、そうか」
本題はそれだったっけ。
「ううーん」
けど、いざ考えると思いつかない。
「それなら、俺はとりあえずこの2つ買ってくるからゆっくり見てろよ」
「あ、うん」
そういうと、克幸はレジに向かう。