アイツは私の初彼氏 ~ホワイトデー編~


それを見送って、どうしようかな……と見回していると、ふと透明の石が目に入った。



綺麗な石なのでジッと見てしまう。

「水晶の……ペンダントか」

細工はシンプルで、水晶がメインといった感じだ。

「でも、ネックレスなんて柄じゃないな」

自慢じゃないが、アクセサリーは一切持っていない。

綺麗だなと思っても、自分がつけてるのを想像出来ないからだ。

今日だって、姉ちゃん達に付けられそうになったのを拒否してきた。



私は軽くため息を吐くと、他の物に目をやった。




「さお、何かいいのあったか?」

しばらくして、レジから戻った克幸に私はマグカップを差し出した。

「これがいい!」

「おお。って、こんなんでいいのか?」



< 8 / 15 >

この作品をシェア

pagetop