アイツは私の初彼氏 ~ホワイトデー編~
それを見送って、どうしようかな……と見回していると、ふと透明の石が目に入った。
綺麗な石なのでジッと見てしまう。
「水晶の……ペンダントか」
細工はシンプルで、水晶がメインといった感じだ。
「でも、ネックレスなんて柄じゃないな」
自慢じゃないが、アクセサリーは一切持っていない。
綺麗だなと思っても、自分がつけてるのを想像出来ないからだ。
今日だって、姉ちゃん達に付けられそうになったのを拒否してきた。
私は軽くため息を吐くと、他の物に目をやった。
「さお、何かいいのあったか?」
しばらくして、レジから戻った克幸に私はマグカップを差し出した。
「これがいい!」
「おお。って、こんなんでいいのか?」