シロクロ
リビングに行くと、親は、もう仕事に出 かけていて、春樹兄だけが座っていた。
『おはよう、アキ』
さっきまでとは違う、子供に接するよう な、優しい口調で、春樹兄は、言った。
『はょぅ』
俺は、いつもと同じ挨拶を春樹兄にし て、飲み物を取りに、冷蔵庫に行こうと した。
バシッ・・・
春樹兄は、俺の腕を掴んで、俺の進行を 阻止した。
俺は、ムカつきながら、春樹兄の顔をみ た。
どうしよう・・・
春樹兄は、今まで見た事のないような、 恐ろしい顔で俺を見ていた。
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