シロクロ
コンコン
『どうぞ~』
親父のやる気のない声が響いた。
『失礼します』
春樹兄が俺と一緒に中に入った。
『おぉ、きたか!!あれっ?君は、何年 の生徒かな?』
親父は、俺に気付いてないみたいだ。
『おとーさん』
俺は、精一杯の笑顔で言った。
『え・・・アキなのか?』
俺が頷くと父さんは右手を天に上げで ヨッシャー゙と叫んだ。
『ハル、聞いたよな。最近、親父としか 呼ばなくなったアイツが、おとーさんっ て』
親父は、まるで、小さい子供が初めて 言ったかのように喜んでいた。
『なぁ、もう一回言って』
調子にのった親父は、デレッとした顔で 言った。
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