シロクロ
二人は手をつないだまま、職員塔を出 た。
『あのさ・・・』
俺は、少しうつむきながら夏輝兄に言っ た。
『ん?どうかしたか?』
夏輝兄は、何事もないかのように、俺の 顔を見ながら言った。
『いつまで、手つないでいるつもり?』
おれがそう言うと、夏輝兄が慌てて手を 離した。
『ごめん。オレ、お前が来て嬉しかった から、つい・・・』
夏輝兄は、少し悲しそうな顔をしながら 言った。
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