先輩と後輩の恋愛事情
赤組も白組と同様、女子と男子で一緒に登場。
ヤバい、本番になるとすごく緊張する…。
「赤組ー、行くぞー!」
黒木先輩の掛け声で男子の応援が始まった。
女子は2つに別れて、男子を囲むように立つ。
私が立っている場所は黒木先輩がちょうど見えるところだった。
うっ…。
やっぱり先輩もかっこいいな…。
女の子たちがキャーキャー言うのも無理ないか。
てゆーか…。
学ランをTシャツ無しで、前を開けて着てやるのは、見てるこっちが恥ずかしくなるよ…。
先輩…。
結構しっかりした体してるんだ…。
って、何考えてるの、私!
「どうしたの、実梨?
顔真っ赤だよ?」
「へっ!?」
「もしかして黒木先輩にやられちゃった?」
小声でクスクスと隣の女の子に笑われる。
「ち、違うよ!
今日は日が暑いから!」
「ふ〜ん」
ニヤニヤしされ、言い訳が通じてないようだった。
まぁ、無理もないよね…。
今は秋の10月だし、今日はちょっと肌寒い。
自分で言うのもあれだけど、痛い言い訳だったかも…。
「みんな、行くよ!」
早瀬先輩の声で前を向く。
気づいたら男子の応援は終わっていた。
うわっ!
急がないと!
みんなより少し出遅れてから自分の位置に行く。