先輩と後輩の恋愛事情
「あの…!」
怒りをぶつけようとした時、先輩が私の前にさっと出て来た。
「先輩…?」
「理香、人の悪口はいけないよ。
実梨ちゃんたちに謝って」
いつも笑顔の先輩は、怒っているように見えた。
「な、何で私が…!」
「いいから謝るんだ、理香!」
いつもの爽やかな声が今は低くなっている。
少し、怒っている先輩は怖く感じた。
「…っ!
愁のバカ!
何でわかってくれないのよ!」
早瀬先輩は怒鳴って走り出してしまった。
「理香!?
ごめん、二人とも…」
「いえ…それより早く早瀬先輩を追いかけてあげてください!」
「ありがとう。
…ホント、ごめんね…」
先輩も早瀬先輩を追いかるため、走り去って行った。
先輩が行く時、一瞬こっちを辛そうに見てたけど…。
何でだろ…?
今の私にはわからなかった。