先輩と後輩の恋愛事情
「実梨、おつかれ〜」
「うん…」
「てゆーか何、実梨って黒木先輩に好かれてたの!?」
「あ、それ私も聞きた〜い」
ワイワイと私の周りに女子が集まる。
「ねぇ、いつから黒木先輩と知り合ったの?」
「黒木先輩とどういう関係?」
「何で黒木先輩に好かれてんの?」
一気に質問してくる。
「ちょ、ちょっと待ってよ!
そんな一気に質問されても困る…」
積めよってくる女子たちを両手で押さえてガードしていたがもう限界が近づいていた…。
そんな時、グイッと後ろから腕を捕まれて女子の群れから引き離される。
「ごめん、実梨借りてくよ」
腕を引っ張って連れ出したのは佳だった。
「佳…!」
「実梨、ちょっと来て…」
いつもは冷静で私の前では少し笑ってくれてる佳なのに、今は無表情ですごく怖い顔をしていた。
佳が何で怒っているのかいまいちわからなかったけど、先輩にせっかくの告白を邪魔されたんだ。
それで腹が立ってる。
そう思っていた。