先輩と後輩の恋愛事情
【実梨】
「う…ん…」
あ、寝ちゃってたんだ…。
ボーとする頭でムクリと体を起こす。
と、目の前に先輩がいた。
いや、正確に言えば先輩の寝顔があった。
「せ、先輩…?」
何でここで寝て…。
先輩のキレイな寝顔に見とれて心臓がドキドキする…。
「ん…あれ、実梨…ちゃん…?」
私が起きたすぐあとに、先輩も体を起こして眼を覚ました。
「…あーそっか、俺実梨ちゃん起きるの待ってたら寝ちゃったんだ…」
「起きるの待ってたらって…」
もしかして寝てるとこ見られた!?
「せ、せ、せんぱい…」
だったらすごく恥ずかしいんだけど!
「ん、どうしたの?」
「あ、いえ…」
先輩気づいてないのかな…。
「さて、そろそろ帰ろっか」
ガタッっとイスから立ち上がってカバンを手にとる先輩。
「え、あの…先輩?」
「ん?
早く帰ろ!」
「は、はい…」
笑う先輩に私は顔を赤くしながら答えた。