先輩と後輩の恋愛事情
3時半…
私たちは電車でこの町に来たのだ
そろそろ帰らないと…
「佳、そろそろ帰る?」
「ん、実梨が帰りたいなら帰ろっか」
いや…
帰りたいっていうか、そろそろ駅に向かわないと電車に間に合わないからで…
帰りの電車は朝と昼、あと夕方の3本しかないのだ
もし今から乗ろうと思う電車に乗り遅れたら、朝まで動かないからもう帰れなくなる…
いくら彼氏と一緒だからと言って、一緒に野宿とか嫌だ
ホテルに泊まれるような大金手持ちにはないし…
だからこの電車で帰らなければならないのだ
「じゃ、帰ろ」
「うん」
私たちはイスから立ち上がり、飲み干した缶はちゃんとゴミ箱に捨ててスーパーを出た
あ、結局本屋には行ってないな
ま、別に買うものもなかった訳だし、いっか
スタスタと歩いて私たちは駅へと向かった