先輩と後輩の恋愛事情


そういえば先輩はどうしてこのカバンが私のって気づいたんだろ…。



床に置いたカバンをジッと見つめる。



「…?
どうかした?」




先輩は首をかしげて不思議そうな顔をして聞いてきた。




「あ、いえ、たいしたことじゃないんですけど…




「ん?」



「先輩は何でこのカバンが私のだって気づいたんですか?」




「あぁ、それは…。
俺朝このベッドの上で寝てたから…」



「えっ!?」




あのベッドに寝てた人、先輩だったんだ…。



「実梨ちゃんが隣で寝てたことも知ってたしね」



にっこり笑う先輩は少し顔があくなっていた。



てゆーか、先輩は私に気づいてたんだ…。




「実梨ちゃんが眼を覚まして行った後、俺もベッドから起き上がったんだ。
そしたらカバンが机の上に置いてあって、届けたってわけ」




「そうなんですか…」




納得してうなずく。








あの時、先輩が来てくれたお陰で私は助かった。




じゃぁもし先輩が来なかったら今ごろどうなってたんだろ…?






そう考えただけでも背筋がゾッとした。








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